サクラダリセット

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※ネタバレを含みますので放送後にご覧頂くことをおすすめ致します

  • 咲良田
    日本にある小さな市。人口のおよそ半数が特殊な能力を持っている。住民も皆その事を理解していて、能力と付き合いながら生活している。
  • 管理局
    咲良田の能力者を管理している公的機関。能力によって起きた問題を処理している。目立つことを嫌う組織で、本部を持っていない。警察署と市役所にそれぞれ署があり、他にもオフィスが咲良田中に点在している。
  • 能力
    咲良田に住む人が持っている特殊な能力。その種類は多岐にわたり、大抵は物理法則に反する現象を起こす。多くの能力は本人の望みから生まれる。そして、本人が望まないと能力は発動しない。
  • リセット
    春埼美空の持っている能力。世界を最大で、72時間前の状態に戻す(再セットする)事ができる。ただし、あらかじめセーブした瞬間の状態にしか戻せない。一度のセーブに対してリセットできるのは一度だけ。新たにセーブし直すと、前回のセーブは効果を失う。
    リセットをすると、24時間は新たにセーブすることができない。また、春埼自身の記憶もリセットされてしまうので、リセットを使った事すら分からなくなる。事実上、春埼一人では、世界を過去の状態に戻す事はできても、運命を変える事はできない。

#15 ONE HAND EDEN 4/4

  • 片桐穂乃歌(3)
    片桐穂乃歌は、自分の手で作った世界「ワンハンド・エデン」に捕らわれていた。ミチルとなった彼女は、チルチルとともに、モンスターのいる咲良田で暮らしていた。心の底ではそれをウソだと知りながらも、偽りの自分で、孤独を忘れるために作った人物とともに、偽の街で暮らしていた。そこに浅井ケイが手を差し伸べる。浅井ケイは本来の彼女を思い出させるため、チルチルの協力を得て、ミチルが望む「他者」を演じた。だが彼がモンスターに呑み込まれそうになっても、ミチルは自身が作り上げた偽りの幸福を手放せず、片桐穂乃歌に戻ることができなかった。ケイはモンスターに呑み込まれることで、ミチルに本来の願望を思い出させ、彼女が片桐穂乃歌に戻るきっかけを作った。
  • 野良猫屋敷のお爺さん(3)
    すでに歳老いて、現実世界では自由に動けないでいる。片桐穂乃歌の夢の世界の中では、神である彼女の力によって、健康に暮らす事ができる。以前彼は、夢の中の世界で無償の救いを与える片桐穂乃歌に対して、それは悪魔と変わらないと語った。人々は与えられた幸せに捕らわれて抜け出せなくなるからだ。その言葉によって、与えることでしか他者との繋がりを作れなかった片桐穂乃歌は、彼を恐れるようになる。しかし、管理局から夢の世界を訪れることが許可された「他者」である彼こそが、唯一片桐穂乃歌の望みを叶え得る存在だった。ミチルは自身が片桐穂乃歌であることを思い出し、本来の願望であるモンスターを受け入れ、ようやく彼の友人となった。また彼も、かつての神としての片桐穂乃歌のふるまいを「相手のために笑うなら、それは友人と同じだ」と訂正した。

#14 ONE HAND EDEN 3/4

  • 宇川沙々音(3)
    物質を好きなように作り変える能力を持つ。生物には使えないが、それ以外なら形を変えたり、消したり、何もないところから作り出すこともできる。大きさの制限はなく、惑星を二つに割ることもできるという。宇川自身はこれを「世界を修正する能力」だと自称する。
    能力を使う時は、約一分間、変化した後の状態をイメージし続ける。途中で意識が乱れた時は最初からやり直さなければいけない。また、変化させたことを忘れると元の状態に戻る。そのため宇川は、能力を使っている事を忘れないよう、きつめの指輪をはめて、その違和感で意識を集中さている。
  • 街のレプリカ
    片桐穂乃歌の作った夢の中の咲良田は、本当は「白い靄のような壁」の向こう側にある。浅井ケイたちのいた場所は、その更に複製――チルチルの作ったレプリカである。このレプリカは、相麻菫の未来視を根拠に作られた。ただし夢の世界の入口となる、病院の位置だけはチルチルにも変更できなかった。チルチルは病院の位置を変更しないまま、海上にレプリカの咲良田を作ったため、東西が反転する形になった。
  • 片桐穂乃歌(2)
    昏睡状態にある片桐穂乃歌は孤独だった。そこで、他者と触れ合う事を望んで、夢の中の世界を作る能力を得た。それにより、となりのベッドで寝ている人と繋がる事ができた。しかし他者が夢の世界を訪れることを喜んだ片桐穂乃歌は、彼らの願いを際限なく叶え続けた。それにより、管理局は彼女の能力を「ワンハンド・エデン」とカテゴライズし、他人がアクセスする事を禁じた。
  • モンスター(2)
    片桐穂乃歌が作った怪物であり、彼女の感情の象徴。他者と繋がりたいと望み、暴れる感情が、彼女が楽園だと思い込む世界を壊す。管理局により、他者が夢の世界を訪れなくなったことで、片桐穂乃歌は再び孤独になった。そこで自身の感情を敵として具体化し、それから守ってくれる神を作り、自身はなにも知らないミチルとなった。神様がチルチルで、敵がモンスター。チルチルの手でモンスターから守ってもらう事で、人との繋がりを感じたかったのだ。しかし、チルチルもモンスターも自分で作った存在であるため、他人を感じる事ができない。ミチルは、心の底では自分は独りきりだと分かっている。

#13 ONE HAND EDEN 2/4

  • モンスター
    片桐穂乃歌の夢の中の世界に存在する怪物。夜になると現れ、街を破壊する。しかし、朝になれば街は元に戻っている。
  • シナリオ
    管理局が『シナリオ』と名付けた、世界の『正確な』未来と過去のすべて。仮に、誰かが未来視能力を使って未来を変えたとしても、その未来を変える行動と、変えられた未来が、既に真実として存在している。つまり誰もシナリオから外れた行動はとれず、世界の未来はすでに決まっている。現状でシナリオは仮説の域を出ないが、複数の能力がシナリオを前提としたふるまいをする。シナリオに関する情報は制限の対象になっており、管理局内でも一部の人物しか知らない。
  • 真実を書き記す能力
    野良猫屋敷のお爺さんの能力。管理局が『シナリオ』と呼ぶ世界の真実を書き記す能力。能力を使用すると、勝手に手が動いてノートに『シナリオ』の一部を書き記す。書き出される文章に能力の使用者の意識は影響せず、情報収集に向いた能力ではない。また、未来について記載された場合、それが改変された例はない。未来であれ改変不可能なこと、あるいはそれを読んだ人物が改変しようとは考えないことのみが書かれる。使用者に近しい情報ほど記載される頻度は高いが、選ばれる情報の法則性は解き明かされていない。このノートを、管理局は『シナリオの写本』と呼んでいる。
  • 名前のないシステム
    『魔女』と自称する、名前を失った未来視能力者。正確には彼女を管理し、未来視を有効に活用する体制全体を指す言葉だが、彼女個人を指す言葉としても使われる。彼女は咲良田で起きる問題を予知するシステムとして、管理局に拘束されることを受け入れていた。だが残りわずかの余生を佐々野と過ごすため、浅井ケイの手を借り管理局から逃げ、咲良田から離れた。
  • 野良猫屋敷のお爺さん(2)
    名前のないシステムを失うことが確定していた管理局は、新たな情報の獲得手段を欲していた。そのため『シナリオの写本』の能力者が注目された。これは記載される未来自体は変更不可能であれ、それを知ることで咲良田の能力を管理する手がかりを得られると判断されたため。だが彼は老いにより、現実ではペンを握るのが困難な状況だった。そこで管理局は彼が夢の世界でシナリオの写本を書くことを求めた。野ノ尾盛夏が野良猫屋敷と呼んでいた彼の家は、チルチルにより隠されており、通常は駐車場にみえる。
  • ラプラスの悪魔
    18世紀のフランスの数学者、ピエール=シモン・ラプラスによって提唱された概念。もし仮に、この世のすべての原子の位置と運動量を知ることができる知性が存在して、その知性が古典物理学で原子の振る舞いを計算できたら、その知性は未来を正確に予測できると考えた。その『知性』は後に『ラプラスの悪魔』と呼ばれるようになった。未来は決まっていると想定する『決定論』の説明の一つ。
  • ハイゼンベルグ
    20世紀のドイツの理論物理学者、ヴェルナー・カール・ハイゼンベルク。粒子の位置を観測すると運動量が変化してしまい、粒子の運動量を観測すると位置が変化してしまう。よって、粒子の位置と運動量を同時に正確に知ることはできないと述べ、後にハイゼンベルクの原理となった。それを元に不確定性原理を提唱した。これにより、ラプラスの悪魔は否定される。
  • 二つの箱
    野良猫屋敷のお爺さんが野ノ尾盛夏に教えた、正しいもの見つけ方。まず、頭の中にAとBの二つの箱を用意する。そして、Aの箱に思いつく限りのすべてを入れる。次に、Aの箱から正しくないものを見つけてBの箱に移す。少しでも正しくないものはすべて移す。この世界にあるものは必ず、どこかしら正しくないので、悪いところを見付けて、Bの箱に移す。Aの箱の中身を全部Bの箱に移したら、最後にBの箱から、まだ一番ましなものを拾い上げる。それが、自分にとって正しいものだと言う。世の中のものはすべて、どこか正しくない部分がある。その正しくない部分を理解した上で、それでもなお正しいものだけが、本当に正しいものだと言う。

#12 ONE HAND EDEN 1/4

  • 片桐穂乃歌
    昏睡状態にある23歳の女性。14歳の頃から9年間、病院で眠り続けており、回復は絶望的と言われている。しかし脳は活動していて、ずっと夢を見ている。夢の中に、現実と寸分違わぬ世界を作る能力を持っており、彼女の近くで眠ることで他者も意識のみ、その世界に入ることができる。ただし現実で目を覚ますと、夢の世界から追い出される。管理局はこの能力を危険視しており、片桐穂乃歌を隔離し、許可を与えた人物以外が彼女に近づくことを禁止している。
  • 夢の中の世界
    浅井ケイたちが訪れた「夢の世界」は、現実との差異がいくつかあった。まず東西が反転した鏡映しのような世界だったこと。次に咲良田全体が白い靄状の壁に覆われており、外に出ることができなかったこと。そして夜になると巨大なモンスターが現れ、街を破壊すること。だがそれ以外は現実と同じ世界であり、そこに暮らす人々や彼らの思考まで再現されている。外から夢の世界に入った人物やチルチル、モンスターの影響などで現実との差異は生まれるが、一定の期間で現実を再現し直し、夢の世界は修正される。

    また、片桐穂乃歌は、この夢の世界では全能に近い力を持っている。自由に夢の世界を作り替え、欲しいものを作り出すことも病を癒すこともできる。管理局が片桐穂乃歌の能力を危険視しているのはこの点で、安易に願いが叶う世界に人々が入り浸らないよう、彼女を隔離した。
  • ワンハンド・エデン
    管理局が定めた能力のカテゴリーの一つ。安易な楽園、片手間で作れてしまう幸福を語源としている。管理局は能力により簡単に生み出される幸福は現実への影響が大きいと考え、このカテゴリーの能力を制限することを基本姿勢としている。
  • 野良猫屋敷のお爺さん
    野ノ尾盛夏の知人。夢の世界にいると、相麻菫より伝えられる。
  • ミチル
    夢の中の世界での片桐穂乃歌の姿で、能力を持っていない普通の女の子。本人は自分が片桐穂乃歌だということを忘れている。片桐穂乃歌が昏睡状態におちいった時と同じ、14歳の姿をしている。
  • チルチル
    片桐穂乃歌が生み出した、夢の世界における神様。片桐穂乃歌と同等の力を持ち、夢の世界においては万能に近い。通常は青い鳥の姿になり、ミチルに付き従っている。
  • スイート・レモン
    イソップ童話の『すっぱいブドウ』の反対。『すっぱいブドウ』は、キツネが手の届かない高い木になったブドウを「どうせあれはすっぱいブドウだ」と言うエピソード。転じて、自分が得られなかったものを低く評価しようとする心理が『すっぱいブドウ』。反対に、自分が得たものを高く評価しようとする心理が『スイートレモン』。手に入ったレモンを「このレモンは甘い」と思い込もうとする。共に『認知的不協和』と呼ばれる心理現象。
  • 宇川沙々音(2)
    大学1年生。現在は咲良田の外にある大学の近くで独り暮らしをしているが、稀に管理局から要請を受け、アルバイトとして手伝いをするため咲良田に戻る。自身の感情や価値観のみに従い、正義の味方を自称する。チョコレートが好き。

#11 ある日の春埼さん

  • 野ノ尾盛夏
    猫と意識を共有する能力を持っている。猫が好きで、自由奔放なところが猫に似ている。人との距離感が独特で、接しすぎず、離れすぎもしない、どこか達観したところがある。
  • 友人を作る計画
    春埼美空が浅井ケイから、もう少し友達を作った方が良いと提案されて、友人を作るべく行動に出た。ケイの推薦により、まずは野ノ尾盛夏と友達になる事にする。しかし、どこからが友達になるのか、定義に悩む。
  • U研(2)
    芦原橋高校にある『Unidentified(未確認)研究会』の略。オカルトや超常現象など、ジャンルを問わず未確認なものを研究している。と言っても、研究する事そのものが目的であって、成果の信憑性は問わない。無意味なことを真面目ぶって調べ、独自の結論にこじつける事を楽しなでいる。皆実未来が所属している。
  • 三月堂
    咲良田にあるお菓子屋。野ノ尾盛夏は、三月堂のシュークリームを気に入っている。
  • ある日の春埼さんのその後
    春埼美空は皆実未来から、風邪をひいた浅井ケイのお見舞いに行き、キスをするように言われる。悩んだ末、ケイのマンションに向かう春埼だが――この後の展開は、Blu-ray特典において語られる。

#10 MEMORY in CHILDREN 3/3

  • 魔女の後継者
    魔女の未来視能力は、管理局が能力による事件から咲良田の治安を守るために役立っていた。その魔女がいなくなると、治安の維持が難しくなる。そこで管理局は魔女の後継者として、新しい未来視能力者が必要となる。魔女は、ケイの知っている2年前に死んだ少女が未来視能力者だと言う。
  • 索引さん
    咲良田の管理局員。対策室に所属する。管理局内で情報を扱う者は慣例として本名を秘匿しているため『索引さん』という愛称で呼ばれている。管理局内で、もっとも自由に能力の情報にアクセスする権限を持っている。
  • 咲良田(3)
    管理局は外の世界に対して能力の存在を秘匿しているが、通常は人々の咲良田への出入りを制限していない。咲田の外に足を踏み出した人間は、能力に関する記憶をすべて忘れてしまうので制限する必要がなく、むしろ制限する事で目立つ事を避け、より問題が発生しないように消極的な態度をとっている。
    しかし4年前の夏休み、咲良田を訪れて記憶の能力を得た浅井ケイは、索引さんが彼に咲良田から出ないよう求めた事から、自分の記憶の能力は、咲良田の外に出ても消えないのではないかと推測した。そして、もし彼の記憶が消えないのであれば、それは能力の性質によるものではなく、誰かが能力によって、咲良田の外で記憶が消えるよう働きかけていると推測する。
  • 写真の中の世界(2)
    佐々野の能力で撮影された写真は破ると、写真の中の世界を再現した異空間を作り出す。写真に写っていた人物も撮影した当時のまま再現される。これにより、肉体や記憶、能力まで生前の相麻とまったく同じ「能力によって発生した相麻菫」が生まれた。
    本来であれば、写真の世界は発生から10分後に消えてなくなる。だがケイは村瀬の能力をこの相麻にコピーし、彼女にリセットを無効化させた上でリセットすることで、現実に連れ出せるのではないかと考えた。
    この方法で「10分経っても彼女が消えない」のは、消失の原因となる「写真の能力」の効果がリセットにより消えるため。つまり佐々野の写真の「過去そっくりの世界を作り出す」効果と「10分後にその世界を消す」効果のうち、前者のみをリセットなどの能力の組み合わせで抽出したことになる。
    この方法が成立するとケイが予想したのは、能力の構造を正確に理解していたからではなく、「未来視能力者である相麻菫はこの方法で自身が復活することまで予見していたのではないか?」と考えたためだった。
  • 中野智樹
    中野智樹は、任意の時間に、任意の人物に声を届ける事ができる。2年前に智樹は、相麻菫から2年後の自分に声を届けるように頼まれた。『この声が聞こえる?』と。再現された菫が本物であればその声が届く。しかし、偽物であれば、その声は届かない。これがメッセージの理由だと、相麻はケイに説明した
  • マクガフィン(3)
    物語の作劇上の用語。主人公を物語に呼び込むための小道具。
    相麻菫は、ただの小石にマクガフィンと名付け、「マクガフィンの持ち主が、咲良田の能力すべてを支配する」という噂を流した。たったこれだけで村瀬陽香や岡絵里などの行動を操り、結果的にケイの元に「自身が復活するために必要な能力者」が集まるよう仕向けていた。
    作中のマクガフィンはただの小石でしかないが、同時に未来視能力によって「相麻が用意した物語に主人公としてケイを呼び込む小道具」として機能した。
    マクガフィンを差し出す自身が佐々野の写真に写り込むことで、ケイがこの構造を理解し、相麻を再生しようと動いたことまで含めて、相麻にとってはすべて「予定通りの物語」だった。

#9 Strapping/Goodbye is not an easy word to say

  • 2つの白い箱
    「相麻菫が春埼美空の行動原理を例えた話。色も形も大きさも同じ二つの箱。そのうち一方を選択する時に感情はなく、結果は偶然でしかない。まるで自分の感情を持たないように振る舞う春埼にとって、あらゆる選択は「どちらでもいいこと」でしかないのではないかと相麻は指摘した。事実、当時の春埼は自身の感情に無自覚で、自ら定めたルールに従って物事を判断していた。」
  • 宇川沙々音
    浅井ケイの3学年上。相麻菫が川で死んだ事故を知り、現場の様子を調べに来た。能力で任意のものを作る事ができるらしい。
  • 猫のストラップ
    春埼美空の携帯のストラップ。元々はケイが持っていた実家の鍵のキーホルダーだった。ケイが家族を捨て咲良田に住む事を決意をした時に、実家の鍵を捨てた。そして、大切なものを繋ぎ止めていたキーホルダーを春埼にあげたのだった。

#8 WITCH, PICTURE and RED EYE GIRL 3/3

  • 写真の中の世界
    写真は時間と空間を切り取る。佐々野の能力で撮影された写真は、それを現実に再現することができる。正確には、写真の中の世界を再現した異空間を作り、条件を満たした人物をその異空間に移動させることができる。写真の中で現れる場所は、直前に現実でいた場所であり、写真から現実に出てくる場所は、直前に写真の中でいた場所である。つまり、写真の中で移動すると、現実での出現位置も移動する。佐々野が、開いた扉の写真を撮り、それを同じ場所で破れば、開いた扉が再現される。それにより、現実で加賀谷が扉をロックしていても、写真の中で扉を通る事ができ、再び現実に出現した時には通過する事が可能となる。
  • 村瀬陽香(3)
    「消したい物」と「触れる体の部位」をコールする事で、任意の物を消す事ができる。「全身、小石」とコールすると、足下の小石を消して河原でも素早く歩けるが、靴ごしにも小石を消せる。同様に「全身、能力」とコールする事で、能力の影響を受けないようにもできるが、着ている衣類も能力の影響を受けない。ポケットの中に入れていた佐々野の写真もリセットの影響を受けず、セーブした時の状態へ持ち出す事ができる。
  • 魔女(2)
    未来を知る事ができる能力者。正確には、触れた対象が未来で体験する視覚、聴覚をシミュレーションする能力を持っている。管理局の評価においてもっとも優秀だとされる能力者である。それだけに、自身の存在がやがて問題の火種になることを予見した魔女は、人としての自由を捨てて管理局内のシステムの一部となることを受け入れた。その象徴として名前さえなくしている。だが佐々野と恋愛関係にあった彼女は、死ぬ前のわずかの間だけ、彼と過ごすためにケイや岡絵里を利用した。

#7 WITCH, PICTURE and RED EYE GIRL 2/3

  • 岡絵里(2)
    以前は藤川絵里という名前だった。厳しい父親の家庭に育ち、絵里と絵里の母は父の暴力に苦しんでいた。絵里の父親は市議会議員で、管理局と強い繋がりがあった。

    2年前、浅井ケイが相麻菫を生き返らせる能力を探していた時、絵里の父親から管理局の情報を引き出した。ケイはその時の事を、父親を脅す材料として絵里に与えた。絵里はそれを両親の離婚に利用し、正式に母の旧姓である『岡』となった。

    岡絵里は、父の暴力から解放されて、ケイに助けられたと思っていた。しかしケイは、父親を捨てさせるという解決方法は間違っていたと思っている。その事が岡絵里をケイに対して苛立たせている。
  • 岡絵里の能力
    他人の記憶を足したり、引いたりする能力を持つ。他人に漠然としたイメージを植え付けると、相手が頭の中で勝手にそれに即した記憶を作り出す。植え付けるイメージを上手く利用すれば、相手の行動を指定する事もできる。記憶を引く能力は、相手に何かを忘れさせる事ができる。

    発動条件は、5秒以上目を合わせなければいけない。また、一人の人物に対して一種類の記憶操作しか使えず、新しい記憶操作を行うと、前の操作は効力を失う。また、外からきちんと指摘すれば、そのうち正しい記憶を思い出す。

    他人に能力の使い方を忘れさせると、相手は能力を使えなくなる。能力の使い方は本人しか知らないので、他人が指摘することはできず、新しい記憶操作を行わない限り、永続的な効果を発揮できる。
  • 佐々野宏幸(2)
    佐々野は管理局に嘘をついていた。写真の中に入る能力は、彼が能力を使って写真を破らなくても良い。佐々野が能力を使って撮った写真であれば、誰が破っても写真の中の世界に入る事ができる。ただし、その写真を撮った場所で破らねばならず、写真に写ったエリアしか再現されない。撮影したカメラの画角内の世界しか再現されないので、画角の外に立って破ると中には入れない。

#6 WITCH, PICTURE and RED EYE GIRL 1/3

  • 岡絵里
    浅井ケイの一つ下の後輩。中学3年生。なぜかケイを嫌っており、ケイの嫌がる事をしようと計画する。ケイから、マクガフィンを奪い、春埼美空からリセットを奪い取ると宣言する。
  • 佐々野宏幸
    10分間だけ、写真の中に入ると言う能力を持っている。写真を撮る時に佐々野が能力を使い、今度は、撮影した時と同じ場所で、佐々野が能力を使って写真を破ると、その写真の中の世界に入る事ができると言う。写真に収めた思い出に浸るための能力である。しかし、岡絵里によってその能力を奪われたらしい。
  • 魔女
    管理局員の一人。咲良田の治安を維持する管理局のシステムの一部。「魔女」と自称している。未来を知る能力を持っている。人に触れる事で、その人の未来を知る事ができる。管理局は魔女と一般人の接触を嫌い、日頃は誰も訪ねてこない個室に一人で幽閉されている。咲良田に問題が起きた時だけ、魔女のもとに報告が来る事になっている。魔女は自分の未来を見て、報告を受けていれば、未来に問題が発生したと知る事ができる。食事や生活必需品などは奥の部屋にあるコンパクトリフでやりとされている。
  • 加賀谷
    管理局員の一人。触れた物をロックする能力を持っている。彼がロックしたものは、彼以外には解除できない。ロックする時は右手で触れ、ロックを解除する時は左手で触れる。加賀谷は、魔女を幽閉した扉をロックしており、これにより、魔女は誰とも許可無く会う事はできない。
  • スワンプマン
    沼(Swamp) の男(man) という意味。アメリカの哲学者ドナルド・デイヴィッドソンによるアイデンティティーの思考実験。ある男が沼の近くを通りかかり、雷に打たれて死んでしまう。その時、もう一つの雷が沼に落ちて、沼の中から死んだ男とまったく同じ生き物が産まれる。外見も知識も性格も、何もかも同じ生き物が生まれたと仮定して、死んだ男と沼から生まれた男の違い、アイデンティティに関する考察を行う。

#5 ビー玉世界とキャンディーレジスト

  • 世良佐和子
    鏡やガラス片などに映った景色の中に、意識だけ入り込む能力を持っている。小学生の時に担任から良い行いを褒められて以来、良い行いを美しいと思うようになる。そして、ルールを破る事のできない自分にコンプレックスを持つようになる。
  • 奉仕クラブ(2)
    『管理局』の指導のもと、能力によって奉仕活動を行う、咲良田市の学校にあるクラブ。芦原橋高校での顧問は管理局員である津島信太郎。浅井ケイと春埼美空は、管理局員の目のとどくよう監視対象として入部させられている。
  • 村瀬陽香(2)
    冒頭のシーンは第4話の続きで、ケイとの和解により登校するようになった村瀬陽香である。その村瀬と、同じくケイに救われた世良佐和子が図らずも同じクラスで出会うのだった。第5話の本編は、第3話より前の話である。当時の村瀬陽香は、兄の死をきっかけに不登校となり留年していた。

#4 CAT, GHOST and REVOLUTION SUNDAY 2/2

  • 村瀬陽香
    触れる事で『物を消す』能力を持っている。能力を使う前に「消したい物」と「触れる体の部位」をコールする。例えば「右手、石」とコールすれば、自分の右手で触れた石はすべて消える。同時に何種類もコールできる。ただし効果時間は5分間。5分経つと、消えていた物は元に戻る。2年前に交通事故で兄を亡くしている。管理局が能力を有効に使っていれば兄が助かったかもしれないと思い、管理局を憎んでいる。
  • 能力の無効化
    村瀬陽香は「全身、能力」とコールする事で、自身にかかる他人の能力を消す事もできる。しかし、それが春埼美空のリセットにも効果があるかは分からなかった。そこで実験を行うために、奉仕クラブに「交通事故に遭った猫を助けて欲しいと」依頼をした。ただ、この依頼は実験のためだけではなく、本当に猫を助けたい気持ちからの依頼でもあった。
  • 好井良治
    「非通知くん」の正体。情報を栄養に変える能力を持っている。極度の潔癖症。いつも部屋を消毒していて、食べ物を口に入れる事すらできない。唯一、口に入れられるのはミネラルウォーターだけ。能力を使い、人間から直接情報を搾取する事で栄養を得ている。情報を吸われた相手は、その一部分だけ記憶を失う。幽霊山の吸血鬼の噂は、彼が原因である。
  • 皆実未来
    U研部員。情報を持ったまま死ぬ能力――幽霊になる能力を持っている。非通知くんこと好井良治が、情報を吸いすぎたため、死亡し、幽霊となった。
  • 望まなければ発動しない能力
    咲良田に住む人々の能力は、本人が望んだ想いによって生まれている。放送部の中野智樹は「人に声を届けたい」という想いから産まれた能力を、「特別な存在になりたい」というU研の皆実未来は、死んだら幽霊になる能力を得た。それらの能力は、本人が望んでいないと発動しない。村瀬陽香は、自分の行動で「皆実未来の死」という事件を導いてしまった。その罪の意識を忘れたいと思っていたために「全身、能力」を発動できず、リセットされてしまった。
  • マクガフィン(2)
    小さな黒い石ころ。二年ほど前「マクガフィンを手にした者は、咲良田の能力全てを支配できる」と言う都市伝説が流れた。津島が机の引き出しに保管しているが、能力に関する作用があるわけでもない。マクガフィンを狙って村瀬陽香が行動した事から、「文字通り」事件のキッカケとなるアイテムとしての役割を担った。
  • 2年前の事件
    浅井ケイは相麻菫の死を回避する能力を求めて、能力者の仲間を集め、普通は許可を得られない管理局へ押し入った。しかし、相麻菫を救う能力はなく失敗に終わり、ケイは要注意人物として管理局の監視対象となった。

#3 CAT, GHOST and REVOLUTION SUNDAY 1/2

  • 奉仕クラブ
    咲良田市の学校にあるクラブ。『管理局』の指導のもと、能力によって奉仕活動を行う。
  • 津島信太郎(2)
    管理局の局員。ケイの通う芦原橋高校で奉仕クラブの顧問を務めている。
  • 野ノ尾盛夏
    猫をこよなく愛していて、猫と意識を共有する能力を持っている。能力を使うには、自分を忘れるくらい何も考えていない状態になる必要がある。そのためには眠るのが一番手っ取り早い。いつも花見崎神社の裏の社で猫と戯れている。三月堂のシュークリームが好き。
  • 非通知くん
    情報屋。人と直接会う事を嫌い、電話でのみコンタクトをとる。用心深く、声で正体がバレないように変声器で声を変えている。互いに知っている相手の電話だけを受けるために、最初の何コールかは自動応答音声で空き番号を偽っている。
  • マクガフィン
    物語の作劇上の用語。「登場人物にとっては重要」ではあるが、「作劇上においては重要でない」ものの総称。映画や演劇などで、主人公が物語に関係するきっかけとなるアイテムの代名詞。スパイ映画で狙われる秘密書類、泥棒モノの宝石など。それが暗合表や作戦地図、金槐やニセ札の原盤になってもストーリーの大筋に変化はないものを言う。
  • U研
    『Unidentified(未確認)研究会』の略。皆実未来が入部している。オカルトや超常現象など、ジャンルを問わず未確認なものを研究している。

#2 MEMORY in CHILDREN 2/3

  • クラカワマリ
    能力によって作られた少女。7年前、彼女の母は実娘である倉川真理を妊娠したが、死産だった。母は悲しみ、娘を望んだために能力が発動した。その能力によって生まれたのがクラカワマリである。本物の人間とまったく変わる事はない。
  • ロボット工学三原則
    アイザック・アシモフ著『われはロボット』で作中に書かれた、ロボットが従うべき原則。「人間への安全性、命令への服従、自己防衛」を目的とする3つの原則から成る。

    第1条 ロボットは人間に危害を加えてはならない。また、その危険を看過することによって、人間に危害を及ぼしてはならない。
    第2条 ロボットは人間にあたえられた命令に服従しなければならない。ただし、あたえられた命令が、第一条に反する場合は、この限りでない。
    第3条 ロボットは、前掲第一条および第二条に反するおそれのないかぎり、自己をまもらなければならない。
  • ロボット工学三原則・第0条
    アイザック・アシモフ著『ロボットと帝国』で付け加えられた。

    第0条 ロボットは『人類』に危害を加えてはならない。また、その危険を看過することによって、『人類』に危害を及ぼしてはならない。

    第1条にも「第0条に反する場合はこの限りではない」と付け加えられ、人類に危害を与える人間を阻止するために、人間に危害を与える事が許された。
  • ゼロ番目のルール
    春埼美空は、泣いている人を見たらリセットを使うというルールを持っていた。しかしそれだけでは何も変える事はできなかった。今回、ケイの作戦によってクラカワマリの涙を消す事ができた。それによって春埼美空は、浅井ケイの行動を信用するに至り、「ケイに従う」というゼロ番目のルール作った。
  • キス
    リセットした事によって、春埼美空とケイがキスをしたという事実は消える。しかしケイの記憶だけはリセットされないため、ケイの記憶にだけは残り続ける。
  • 相麻菫の死
    リセットの前には起きなかった相麻菫の死。リセット後にケイが干渉しない限り、歴史は変化しないはず。なのに例外として相麻菫が死んだ。この事件によって、ケイのリセットに対する考え方が変化する。

#1 MEMORY in CHILDREN 1/3

  • 浅井ケイ
    記憶保持の能力を持っている。過去をすべて思い出せる。春埼のリセットによっても消されない強力な記憶保持能力である。物理的な肉体であるケイの脳は、リセットによって一旦は記憶が消さける。しかし、能力によってもういちど記憶が蘇る。三日分の記憶が一気に流れ込むのは、ケイにとって苦痛である。
  • 春埼美空
    リセットの能力を持つ。感情を忘れた少女。幼い頃の春埼は、自己の認識がなかった。そのため自分と他人との境界線がなく、誰にでも強い感情移入をしてしまった。それによって、他者の不幸を自分の不幸と同じように感じ、世界中の悲しみを当事者と同じだけ感じながら生きていた。そしてついには感情が摩耗してしまい、いつしか感情を抱かなくなってしまった。しかし春埼は、感情をなくしても正しく判断できるよう、ルールを作って自分に課した。ケイは、自己を持たずに判断する春埼を、純粋な『善』だと思うのだった。
  • 中野智樹
    ケイの親友。任意の時間、任意の相手に、声を届ける能力を持っている。能力の強度はAランクで、他の能力で対抗する事は難しい。
  • 津島 信太郎
    管理局の局員。クラカワマリと、その母親の担当。
  • 坂上央介
    生徒会長。能力をコピーする能力を持つ。右手で触れた相手の能力を、左手で触れた相手へとコピーする。コピーしている間、右手の者は能力を使い続けていないといけない。手を離すとコピーされた能力も消える。
  • リセット(2)
    春埼美空の持っている能力。『世界』をセーブした瞬間の状態に戻す事ができる。最大で72時間前までリセットできる。ただし春埼自身の記憶もリセットされてしまい、リセットを使った事すら分からなくなる。事実上、春埼一人では、過去に起きた事を変える事はできない。しかし、浅井ケイがリセットを超えて記憶を保持できるため、春埼とケイが協力すると過去を変える事ができる。
  • 管理局(2)
    咲良田の能力者を管理している公的機関。能力によって起きた問題を処理している。能力が社会に与える影響を抑え、咲良田全体の治安維持を最優先するため、個々人の問題は軽視されがちである。
  • 咲良田(2)
    人口の半数が特殊な能力を持っている。なぜか、咲良田の外に出ると、誰もが能力のことを忘れてしまう。そのため、能力は咲良田の中だけに留まっている。